愛宕茶屋が消えた!&パリの植物園ホテル

 4月23日土曜日、NHK古典芸能祭のときのことです。能が始まる前の腹ごしらえに、と、「歌舞伎そば」と並んで私がかつてカオだった「愛宕茶屋」に行こうとしたら、ないの。店構えが変わって、入り口もない。名前も違う。それでも中に入ったら、なんと食べ物やってよりも飲み屋に変貌。申し訳ないけれども、そそくさと出てきてしまいました。
 ああ、あのおしゃべりのおばちゃまはいずこに?あの方ほど、故小森のおばちゃまに続いて「おばちゃま」が似合う人もいなかった。出る料理自体はどうのってことはなかったけれども、そこらへんの揚げ物中心の食事でなく、煮物、お袋の味中心なのがよかった。多分、男性にはちょっと物足りない(私にも?)量だったけれども、都会の中の静けさの中、魂を洗うために、何度通ったことか?
 その前に通ったのは、はるか昔、六本木のインド料理「モティ」だったけど、こういうオキニでカオになった店がなくなるのは何とも悲しい気分。おばちゃま、年中無休をうたっていたから、お体を壊したのだろうか?最後に伺ったのは、昨年、放送博物館での講義に行った際、おばちゃまは私に気付かなかったけど、なんか、日曜日のメニュが寂しくて出て行ってしまったとき。最後にしゃべったのは、2年以上前かしら?大層私の再来を喜んでくれていたけど、ちょっと老けたかなって思った。ご本人も、そんなことをおっしゃっていた。どこかで「おばちゃま」と偶然ばったり、なんてことないかしら?
 
 オキニが消えた話で思い出すのは、パリのオキニのホテルが、数年前に立ち寄った際、せっかく日本から電話して予約していたのに、経営者が大きなチェーンになって、名前も変わって、部屋もサービスも値段も変わったのを発見したとき。植物園のそばで、私はアメリカ人の旅行会社に勤める友人の紹介で最初にいって、その後、イギリスの旅行ガイドにも、日本の女性雑誌にも取り上げられ、やっぱりいいところだと思っていたのに。私も思い出がまた一つ消えた。そのとき思った。多分、「昔の男が様変わりして、がっかりしたのと同じ気分だろうなあ」って。*1

*1:Hotel Jardin de Plantes だったかな?1階のカフェのクロワッサンがやけに美味しくって、アルバニアかどっか系?の男性が一人で偉く働きまわっていたえけど、すべて消えました。