フェニーチェ「真珠とり」

 やっぱフェニーチェっていつもレベル高いし、個性的な歌手が楽しめますね。満足。
詳細:http://www.tbs.co.jp/p-guide/event/la_fenice/index-j.html

 何といっても、ビゼーは天才。弱冠25歳でこの作品の作曲。世紀の名作、「カルメン」の失敗で落ち込んで死んでしまったのが34歳か何かというはかない人生だけど、残したものは素晴らしい。
 ワーグナーでは、ライトモチーフなんていうけれども、フランス・オペラでもライトモチーフなんて使うのかどうかわかりませんが、美しすぎるかのようなメロディーを存分に楽しませてもらう。どうしてもっと上演しないのでしょうねえ、このオペラ。ボケた私は、パンフの「セイロン(スリランカ)」と見て、へんなヒロインの名前だ、なんて思ったら、スリランカが舞台。仏教の国らしく、あちらあたりでお家の屋根はみんな、あの橙色だろうな、という舞台一面の凹型の床。そこで、背が低いヒーロー役中島康晴が背の高いヒロインアニーク・マッシスをの身長差をうまくごまかそうとしているようでしたが。*1この中島さん、歌唱は良かった。テノールらしい高くて艶のある声ではないものの、情感あふれる、まさに滝廉太郎の国から来ましたって感じの丁寧な歌声。是非彼でドニゼッティ愛の妙薬」の「人知れず涙」を聴いてみたいもの。
 対するレイラ役のマッシスも良かった。小顔でスリムな立ち姿は、まさに10代のスリランカ美人。ちょっと色白すぎるのがスリランカらしからぬ感じだったけれども、声量もコロラトゥーラの技量も表現力も文句なし。彼女の「リゴレット」ジルダや、「カルメン」ミカエラを是非聴きたいと思った。

*1:ヒロイン、レイラの名前をきき、オペラ見ながらなぜかエリック・クラプトンの「レイラ」が頭に流れた私。