文化村「レオノール・フィニ展」

 を鑑賞する。まさに別世界、映画ならルキノ・ヴィルコンティ、ピーター・グリーナウェイ、或いは絢爛たるメット・オペラを見ているような世界。

http://www.bunkamura.co.jp/museum/event/fini/index.html
《自画像》1938年 油彩、キャンヴァス
絵を描き、空間を遊び、舞台を演出し、自身をもプロデュースした、パリ社交界のカリスマ、レオノール・フィニ(1907〜1996年)。年齢も明かさず、猫たちと謎に包まれた生活を送った、この女性芸術家の創造世界には、その猫を描いたものや多くの作品に通低する“エロティシズム”など独特の個性があります。
1907年アルゼンチン生まれ。黒い瞳に黒い髪、エキゾチックな美貌と強烈な魅力をもつフィニは、異色な女性シュルレアリスム画家としてパリで鮮烈なデビューを果たします。ときの詩人や芸術家、バタイユやエルンストらとも親交を結び、1935年以降、パリ、ロンドン、ニューヨークで絵画展、書物の挿絵、パリ・オペラ座「Le Palais de Cristal」などの舞台装置、バレエや映画の衣装、小道具、はては宝石のデザインまで手がけ、幅広い分野でその才能を発揮しました。また、作家としても活躍する傍ら、パリ社交界のカリスマとして、連日連夜、自身がデザインをした衣装や仮面をまとって舞踏会に現れました。こうした女性プロデューサー的な側面は、当時、様々な芸術家たちに刺激を与えています。

《守護者スフィンクス》 1946年 油彩、キャンヴァス
当時のパリでは、フィニをカリスマと崇めながらも、その過激な特異性ゆえにタブー視することもあり、彼女の全貌にスポットがあたる機会は多くありませんでしたが、その創造性、生き方は21世紀の自立した現代女性にこそ受け入れられる魅力を持っています。
本展では、絵画を中心に、写真、衣装(パリ・オペラ座所蔵)、映像など約100作品を通じて、フィニの世界観を表現するとともに、20世紀を駆け抜けた一人の女性の強く美しい生き方を見つめ直します。

【会 期】 2005年6月18日(土)〜7月31日(日) 開催期間中無休
【開館時間】 10:00〜19:00(入館は18:30まで)
毎週金・土曜日21:00まで(入館は20:30まで)
【会 場】 Bunkamuraザ・ミュージアム

私は無案内で、彼女の存在を初めて知りましたが、パリ・オペラ座でのコシ・ファン・トウッテの衣装も素敵だし、買い取った無人島で撮影したた何やら怪しいプライベート・フィルム(?)の映像も、彼女のパリの自宅のアパルトマンの映像も、まさに別世界。せいぜい、「永遠のマリア・カラス」のカラスの自宅を思い出した程度。生活のにおいゼロ、90歳近くまで生きたというのに、大きなアパルトマンなのに狭い廊下、まるで老人が住んでいたような香りは全くなし。生涯を自由人で通したとうで、絵を中心に、美術、衣装、ご本人ノプロデュース(魚の骨で作った仮面が秀逸)、文学等など、すさまじい時代を駆け巡った20世紀を代表する女性文化人・贅沢人なのでしょう。生涯の伴侶が二人いて、その二人とも一緒に映した写真もなるで岡本かの子みたい。見甲斐があり、会場もすいていて、なかなか素晴らしい(海の日に見学)。

見学前、bunkamuraのロビーラウンジにて食べた幕の内弁当も美味しく、これからランチをここで食べてからbunkamura満喫ってのもいいな、と思う。*1

*1:そうそう、このロビーラウンジのほかに気付いたのが、キレイ!への長蛇の当日券狙いの列。私は来週見に行く予定ですが、恐るべし松尾スズキ人気。2年前の「人間ご破産」にはがっかりでしたが、再演でこの列なら楽しみだ。