東京のオペラの森小澤指揮カーセン演出タンホイザー@東京文化会館

東京のオペラの森も3年目にしてようやく人が入った公演.初年度のエレクトラは新国と張り合う形になり音楽界の政治的不満から舞台の出来映えとは別の所でブーイングの嵐.昨年のオテロは小澤の体調不良から急遽指揮が少なくとも小澤よりはかなりギャラが低いと思われる代役に変わりながらチケットの値段は変更なく私もキャンセルして友人のバレエ発表会に出掛けた.そして今年は入りもよく,オペラ愛好家にとってはNHKホールではなき東京文化や新国でワーグナーが聴ける又とない年.とはいえ,昨年しょっぱなのキーロフも,二度と見れない上野でのリングだったが期待度が高すぎたか心に響かず.だが今回は演出がカーセンなので当たる当たらないは別に,どこかで毎回見るような平々凡々な舞台ではない事だけは確かだと,既に見た人からの話もあり上野へ.

聞いてはいたが,序曲からカーセンやってくれるじゃない.でも決して見ていて気持ちの良い演出でもなく,カーセンでなくとも現代人の性をテーマにすればあり得る感じも.それにしてもワーグナーは序曲の間を使って一つのショートストーリーが作れるのだと今更ながらに感心.彼ながらの美意識に彩られた舞台であった.小澤は以前ある人から,英語は兎も角イタリア語もドイツ語も出来ないという噂,どうなんだろう.英語にしてもとても何十年もアメリカに住んだとは思えない,言わば昔から言う日本の商社マン英語だし,プッチーニなんて聞いても全然メロディーが美しく響かないし,私が良かったと思える小澤指揮のオペラは現代者かフランスの,美音で勝負しないものかり.その印象からすれば今晩は無難かな?ところで東京の森オケとサイトウキネンとの違いって,東京の方は桐朋卒以外の奏者が入りサイトウはソリストで活躍する数名も入る違い?紀尾井シンフォニエッタは?

タンホイザー,私の頭の中では未だにルネ・コロ.彼が引退してから王子ホールで開催さたオペレッタ中心のリサイタルはご愛敬でしたが.