蝶々夫人@新国

ストーリーが嫌で避けているミス・サイゴン蝶々夫人.オペラ勉強会の講師の先生が,やはり蝶々夫人は音楽が隙なく美しいと仰っていたので今回はエイやと思い鑑賞.確かにめくるめく魅惑のメロディーだが,先日読んだ本から,やはり大名のご落胤から芸者になり政府の高官数名から強引に無理やりフランス系アメリカ高官と結婚させられた15代羽左衛門の実母を思い出してしまう.蝶々さんは喜んでピンカートンの妻になるのは,あちらの人の都合いい解釈と共にミカド(?)からの命で切腹したとは蝉しぐれだし,村八分で芸者を続けるよりは外人でも妻の座を,と思ったのかもしれないし,ゼンタや八重垣姫の如く,会う前,見る前から恋に恋する陶酔感が唯一彼女の救いだったのだろうか?

もう余り多く聴く機会がないかもしれないジャコミーニを聞いて,故クラウスの舞台を思い出した.さぁこれから後半,メロディーを楽しもう.