パヴァロッティお手製のミネストローネ

膵臓癌ということでヤバいなぁと思っていたルチアーノ・パヴァロッティが今日亡くなった.クラシックファン以外の広く多くの人々に素晴らしい思い出や感動をプレゼントし,71歳とはまだまだ後進の指導などに活躍して欲しかったが,20世紀後半を代表するオペラ界のスーパースターとして幸せな一生だったといえよう.

そんな大スターについて22日間の専属通訳として時を共に出来た私も,最高の思い出を頂いた一人だ.特に最後の晩には彼のお手製ミネストローネを戴いた事は生涯の忘れ得ぬ思い出である.喉を酷使する職業ながら,余りにスパイシーな味に,披露が溜まった私はせき込みそうになり,目の前で咳は出来ないと苦労した事さえも.舞台の最中にも白湯ではなくギンギンに冷やした炭酸水しか飲まない人であった.

パヴァロッティの舞台を初めて見たのは1992年のロイヤルオペラでのカバラドッシ.彼がボエームをキャンセルしたお陰でアラーニャの伝説的ロンドンデビューも体験出来た.

心からご冥福とその幸せな生涯から戴いたものに深く感謝してご冥福をお祈り致します.