モーゼとアロン

5階サイド席の私からは身体の大小以外には舞台上の歌手の区別が不可能な,老若男女全員同じスーツに不可思議なお面をおでこに乗せ短髪鬘.元々目に見える物には余り頓着しない,まるでモーゼの掟そのもののような視力のない私にはモーゼとアロン以外の判別不可能.数年前のサイトウキネンで同様の経験があったっけ.お話も日本人には馴染みにくい旧約聖書からとったもので,昨日に続く不協和音,それはそれでそれなりに楽しめたが,ストーリーが私の身体と感覚の中にストンと入りにくい.合唱団が素晴らしかった.レーニン像やらを思い出し,18年前の共産圏の破壊を今頃?といった感じ.もっと普遍的な演出方法があるのでは?私には信仰宗教の芽生えのようで薄気味悪さを感じる舞台だった.