新鮮な配役の助六

少なくとも福助の揚巻や梅玉の白酒売り,錦之助の福山のかつぎやは初めて.松竹100年だかで團十郎雀右衛門助六を演じた14年前は新之助時代の海老蔵が福山のかつぎだった.今日の東蔵の通人は品が良く気持ち良かった.ほんの少し前に松助の通人を見たのが昨日のよう.團十郎福助の組合せもなかなかない.福助,ビデオで見た故歌右衛門に似ているような.墨絵の打掛けも美しかった.連獅子と助六を見る観客のノリを見ると人気演目だと如実.これに勧進帳で鉄壁なんだろうが,毎月見ている人間には物足りない新春歌舞伎だった.残るは国立と浅草.少しだけ演舞場にまた行くのを後悔して雀右衛門を見るべきではないかとも.海老蔵の空中浮遊,キレイではあったが,あの海老蔵が小さく貧弱に見えた.問題ありかも.海老蔵色よりもオモダカ色の公演だった.