歌舞伎座昼夜通し鑑賞

昼の部の関の扉が素晴らしい.福助が最近になく美しい.吉右衛門三津五郎とは違った味わいのある身体で演じ,今月の眼目.福助は5月演舞場で吉右衛門四谷怪談のがっぷり四つのようでこれも楽しみ.福助には播磨屋,中村屋共々今後うまく共演していって欲しい.夜の部口上で私の大好きな京屋が相変わらず間があいたりハラハラしたが,初代松本白鴎(携帯から漢字出ず)を幸四郎といった時には何百年前の人?と老いる事について考えてしまった.最後の鏡獅子前に体調が悪くなり折角3階最前列にいたが後ろのあいついる出やすい位置に移る.筋書を買わない私は胡蝶が誰か分からなかったが,久しぶりに踊れる胡蝶を見た気がする.3階で昼夜通しで見るには私が体力が無くなっているのかもしれない.自重しないと.

歌舞伎座追記:

先代幸四郎ファンが多いせいか,平日でもあり普段よりもかなりご年配の方が目立つ.当然客席の大きなおしゃべりが多く,席に当たり外れがかなりあるかも.染五郎ファンの若い女性は週末に?染五郎の鏡獅子はキビキビと気持ち良かった.先月の連獅子から鏡獅子と獅子ばかりにしては毛振りは今一つ.私が見た一番印象に残る鏡獅子は明治座再開場時の富十郎の25日間演じた最年長鏡獅子.後シテも素晴らしいイキだった.あの時の富十郎は魚屋宗五郎といい,充実していた.還暦は過ぎていたはずだが,一番彼が歌舞伎役者としても充実していた時期だったのかもしれない.今の吉右衛門あたりがそんな時期か?
関の扉は,是非玉三郎の小町と墨染も見てみたい.最近は東京では演じていないようなので.
三津五郎の指先まで通った力の表現には改めて感服.彼の身体にはどうしても目が行く.