李寧と大木金太郎

ニュースステーションで「李寧」の数奇なる半生を追うとのことで、久しぶりにテレ朝にかじりついていた。

いまだに中国の男子体操というと、李寧、のイメージが強かった私だけれども、あれ、もっとお顔がつるんとしていて、可愛かったイメージが・・・でも、素敵な笑顔のイメージはそのまま。

少数民族出身で、ロス五輪で国民の英雄となり、次のソウル五輪で最悪の結果を出して、どん底から思いついたのが、まだ資本主義は向こう側の世界だった中国でのビジネス界への転身。とこから、Li-Ningブランドを立ち上げ、いまや、中国にとどまらず、世界的に大活躍とか。

スポーツブランドでも、時価総額は世界4位。李寧自身、まだ45歳。ビジネスで成功するだけでなく、かつての自分のように、貧しいけれども才能のある体操選手を育てる運動やら、無料で白内障の手術を施す活動など、彼の度量の大きさを示す話が多かった。

今週終わった、森達也の「悪役プロレスラー伝」に続いて面白かった。悪役プロレスラーの最後をかざったのは、大木金太郎こと金一について。彼の自伝は一昨年に読んでいてそれなりに感動をしていた。いまだに、ボボ・ブラジルVS大木金太郎の頭突き合戦が瞼にこびりついているのは、私だけではないだろう。

李寧にしても、大木金太郎にしても、かたや中国の少数民族、一方は韓国出身で日本に密航するという形での成功をおさめた。大木の末路は、3万回の頭突きによる副作用でかなりつらいものだったらしい。

悪役プロレスラー伝、アブロラー・ザ・ブッチャーとか、リック・フレアーとか、善玉にくらがえしたデストロイヤーとか、もっと私が見知っているレスラーも扱ってほしかった。続編に期待。