演舞場歌舞伎公演通しと名犬チロリ像

待ちに待った演舞場。はっきり言って昼の伊勢音頭はかったるかったが夜は俄然面白いのに入りが悪い。

やはり海老蔵に福岡貢は無理か、梅玉仁左衛門のような柔らかみが出ないだけでなく、最後の殺しの場面も型通りでまだ余裕がない。今月末に再見する際には良くなっていると思うが。回りはそれなりに適役で全体的にもそれなりだとは思うがいかんせん、私は瞼がなかなか開かなかった。

夜は菊之助の政岡も丁寧で年齢にしては大健闘。恐らく政岡の実年齢にかなり近いのではないか?昼の部の吉野山でも花道からジワが出るなど、綺麗なのが一番。子役も健闘。愛之助の八汐は兎に角,仁左衛門そっくり。親子でもこれだけ似ている事は少ないだろう。松緑の勝元も期待以上だが、いつか口跡のいい亀三郎あたりで勝元を是非見たいと思った。海老蔵の仁木はとても初役で三日目とは思えない大迫力。あれでは外記左衛門役の男女蔵も本気で怖かったのではないか?途中、あれれという不可思議な間は誰ぞの責任だかわからないが、今日の夜の客は皆ハラハラした事だろう。

昼と夜の間にやっと名犬チロリとご対面。わさに一等地にチロリは永遠に生きると思うと嬉しい。大木トオル氏はPhDらしいが、一体何の博士号をお持ちなのだろうか?

今日は昼も夜も演舞場前の扇でお弁当ゲット。朝10時半から長蛇の列だったが、あれは角の弁当や木村屋のパンを扱っていた店がなくなったからか?演舞場近辺は歌舞伎座のようにチョイスがなくて寂しい。

[追記]仁木で残念だった点の書き漏らし

お父さん譲りだから仕方ないとはいえ、あの鷺の見得は,,三津五郎の目の覚めるような鷺の見得だけは忘れ難い。他の役者もさすがに片足で鷺の見得は難しいので左手で右足爪先を掴んで決まるが,もう少し私は掴んでいますという感じが無くならないかなぁ。

あと,最初の花道の出で印を切った後のニヤニヤはし過ぎかもしれない。