五郎の大きさと大人の鏡獅子

歌舞伎座昼夜通し鑑賞。昼はかなり辛かったが夜はどれも何回も見た演目ながら新鮮で面白い。

一番目の体面は珍しい菊吉
競演が良い意味で緊張感を産んだ。実際も歌舞伎界で一二を競う大柄な吉右衛門の五郎が文句なく大きい。播磨屋の荒事は余り目にしないが、思わずもっと見たいと感じた。

ただ、どういう訳か舞台そのものが華やかさが欠けて見えたのはどうしてだろうか?

もしかしたら戦後一番の鏡獅子の躍り手かもしれない勘三郎。前はいかにもまだお転婆な十代の弥生が最近は見る間に成長。それと反比例して後仕手の気振りはつらそうだ。考えれば勘三郎も50代半ば。あと10年もすれば富十郎が最年長で25日演じた時と同じになる。後仕手のイキの良さだけは未だに天王寺屋に軍配。

大嫌いな三島由紀夫の鰯売りまで今日は新鮮に感じた。夜の部はもう一度見るから楽しみだ。

矢車会の大きなチラシは見たが小さなチラシも手にした人がいたので何処かにあったらしい。これも次回の課題に。