歌舞伎座一部

待望の一部だが、今朝から月に1、2回ある理由無しに非常に眠たい日で体を動かすのにもエネルギーを使う。


最初の木挽町のだんまりの幕が開き、やはり真っ先に真ん中にいる顔も美しく誰よりも華のある海老蔵に目が行くが、動き始めると隣の朝比奈役の勘太郎に目が完全に移る。ほんの少し頭を動かすだけで観客の目を釘付けにする役者に成長したようだ。来月から始まる、おくりびとの舞台も楽しみだ。あの、車引の梅王で見せた腰を落とした決めの力強い姿は実に美しい。関容子がオール読み物で連載しているエッセイの2月号で、播磨屋がやっと自分の芸を伝える相手が見つかったと喜んでいるとあったけど、勘太郎は芝居だけでなく舞踊も類い希の才能だから実に今後が楽しみだ。


熊谷は、藤十郎の相模が首を抱きかかえて動き回る口説きは面白かったし、足腰は衰えても台詞の声の通りと美しさは誰にも負けない富十郎の弥陀六に吉右衛門の気合いが目に見える熊谷となると、歌舞伎座最後の月に相応しい。


最後の中村屋の三人連獅子で盛り上がり一部は見応え十分。


写真はアンリ・ファーブルのカクテルと南千住鰻の尾花の店先のお社。浅草にある招き猫発祥のお寺の招き猫。