ルネ・パーペ、メーリ

マリインスキーウィークに続いてワーグナーナイトに出演したルネ・パーペの別の魅力を堪能した昨日の凸版ホール。

シフのリサイタルにも負けないような緊張感漲る舞台が、恐らくパーペの本当の人柄を表しているのだろう。


色々な意味で五年前のメトのドン・ジョバンニがどうしても行けずに友人に譲ったのが残念だ。多分、まださほどは大柄になりきっていなかったネトレプコや、武蔵野よりも歌舞伎を選んだのに続いて生舞台を聴く機会を逸したコジェナーも出ていたのに。

そう言えば、あの時はワリキューレしか見られずに椿姫も友人に譲ったんだった。今後はこのような後悔のないようにしたい。

今日のメーリも楽しかったが、いかんせん、ルネ・パーペの翌日だった事もあり、非常にもの足りなさを感じてしまった。タイプが真逆だから仕方ないとは言え、以前に上原彩子の翌日に同じサントリーホールアルゲリッチを聴いた時や、ロンドンのアルバートホールで、アシュケナージの指揮の後にアバドを聴いた時のような感覚、とでもいおうか。


メーリは炎のランナーや第二次大戦前のニューヨークのギャングみたいな風貌で、ユニークだった。

昨日、凸版ホールまで飯田橋から裏道を通って行ったが、ゴチャゴチャした中でオシャレっぽい店がたまにある雰囲気がかつて住んでいたシドニーニュータウンやロンドンのカムデンやイスリングトンを思い出して非常に面白かった。暗い感じも似ていたんだろう。