文楽に生きる「吉田玉男」1881年

 36分ではなく90分位見たかった。
1919年生まれの玉男は当時62歳、丁度油が乗り切っていた時期ではないだろうか?
 なんとこれも初々しい20代の玉女(かわゆい!)や現・勘十郎が出てくる。十九太夫も、凄い色男ぶり。「ひらがな盛衰記」の樋口を遣う様子を描いていたが、24年後の今なら勘十郎で見たいところ。思わず2月文楽の買い増し予約をしてしまった。大体私が日本の古典芸能に本当に興味を持ち始めたのは1991年のロンドンでのジャパン・フェスティバル。たまたまこの頃、日経新聞で玉男の「私の履歴書」が掲載されたばかりで余計に関心があった。演目は玉男・蓑助のゴールデンコンビで「曽根崎心中」。感動したね(団吾が三曲を演奏した「阿古屋」の次くらいに感動した)。それが帰国してから既に3公演もこのゴールデンコンビでその後も「曽根崎心中」が見られるとは、3年位までの動きは少なくなっても叙情的でこれも感動的だった。