2月新国立劇場公演「ルル」

 やはり昨日の日経新聞朝刊の文化欄に、2月の新国立劇場で上演される「ルル」の演出家、ディヴィット・パウントニーへの期待の文章があった。私もこの上映には大いに期待している。
もともと「ルル」はストレートプレイをロンドンのウェストエンドのシアター(名前思い出したら書きます、今はないのかな、バーミンガム・ロイヤル・バレエのロンドンの本拠地の劇場で、松本幸四郎が名優スーザン・ハンプシャーと「王様と私」を演じて見事にハンプシャーの引き立て役となったあの劇場の付属の、リハーサルルームに限りなく近い小劇場)で面白い舞台を見て以来、関心を持っていた。新聞のクリティックでも大きく取り上げていたいい舞台だったのに、多分、私が今まで見てきた舞台の中で唯一、観客よりも舞台の出演者の方が数が多かったプロダクションであった。
 オペラの「ルル」は一昨年暮れに、日生劇場にて二期会が大いなる期待のもと3日間ほとんどソールドアウトで上演したが、私はあの舞台を見てから一週間頭痛が止まらなくなった。どうもひどいものを見ると具合が悪くなる性質らしい。何度途中で帰ろうか、と思ったが、外で切符が手に入らなかった人たちが多く「チケットの余り希望」の紙切れを持って立っていたことを思い、とどまったのがまずかった。演出が新劇界から佐藤新、という期待もあったが、アルバン・ベルクの音楽もこの日は物凄く耳障りで本当にしんどかった。
 現在新国立で再演されている野田秀樹演出の「マクベス」の不入りといい、オペラ演出と新劇演出との間には、なかなか超えられない壁があるようだ、特に日本では。
 と、前書きが長くなったが、私は来月の公演、期待はするものの、主演のルル役、佐藤しのぶが大丈夫か?と不安にも思っている。一昨年の「ホフマン物語」のレベルを一人下げていたメインの歌手であったから。