藤原恒例新春「椿姫」は

 毎年見ていていつも似たような演出でうんざりしつつあるものの、一昨年のボンファデッリのような発見があると、と思い、エヴァ・メイに期待。既に新国立ので準主役で聴いているらしいが記憶になし。可もなく不可もなかったのか。最近で心に残った女性オペラ歌手は、「ボエーム」と「ノルマ」(このノルマはブロベローヴァよりもデュミトリーワ?よりも良かった、泣いた)のチェドリンス(チェリンドス?)、前述「椿姫」「ルチア」のステファニア・ボンファデッリ(ロミジュリは駄目だった。昨年10月のリゴレットはまあまあの出来だった)位かな、全部一昨年。昨年ならばデヴィーアの「ルチア」がさすがだった。
さて、結果であるが、
エヴァ・メイは透明感があって肺病患者らしい。相手役の佐野成宏は本調子ではないようだったが、主役二人が美声なのでよろしい。ジェルモン役の堀内康雄は声は抜群なのだが、いかんせん、容姿で損をしている。エヴァ・メイは4月にサントリー・ホール・オペラの「ボエーム」ミミ役を予定しているがこれは楽しみである。昨年のホールオペラの「トスカ」も、第一に照明の石井幹子の仕事が良かった。今年も楽しみだ。
 今日見て、既に椿姫は昨年10月のハンガリー、11月の新国立と続き、藤原で見るのも8回目位か?来年こそはパスしようと思う。かつてはスカラのマリア・カラスの亡霊とう噂があったくらい余りやら無い演目(欧州では)で、ロンドン滞在時代、唯一見つけた夏のホランド・パークでのアマチュアに毛が生えた程度の酷いヴィオレッタをようやく探しだしてみて以来、隔世の感。あのひどい椿姫も(まず歌いながらの呼吸ができていないので、どんどんオケに遅れる、オケはオケで演奏中にくしゃみをする、その後笑っている、等)比較対象としていいものを見たと思っている。