円生と志ん生

一九四五年、夏。ソ連侵攻、原爆投下、そして運命の八月十五日。満州南端の大連は封鎖され、じつに二八万の邦人が閉じ込められた。そしてその中に、あの円生と志ん生もいた。
 狂乱物価に逆上する旅館の女将、占領軍に脅える遊女、乳飲み子と離ればなれになった母親達……
 二人のはなし家は住むところを追われ、食うにも困り、行く先々で、この世の地獄と巡りあう。それもなぜだか、二人が遭遇するのは、みな女性ばかり…。
 戦後の日本国民に、はかりしれない笑いを与えることになる二人のはなし家。円生と志ん生は、混乱の大連でいったい何を見たのか。
 こまつ座二年ぶりの新作は、円生に辻萬長志ん生角野卓造、そして各場に登場する様ざまな女性たちに四人の豪華な女優陣を迎えて、演出の鵜山仁を筆頭に、強力スタッフが集結。
不朽の宇野メロディをはじめ、クラシックからポップス、ジャズまで幅広い楽曲を朴勝哲の軽快な生演奏に載せてお届けします。唄と踊りをふんだんに盛り込んで繰り広げる、円生と志ん生の大連地獄巡り。
 大爆笑の大悲劇!

いい芝居だったけど、こまつ座を見るたびに違和感が。演歌を聴いたときみたいな違和感、とでもいうか。昔風の田舎臭さ、寅さんくささがどうも駄目なのに、結構見ている私。蜷川もなんか居心地悪いくせに見ている私。これも、どこか魅力がないと見ないよね〜あとで分析して書き込みます。

やっぱ、これは井上ひさしさんと私の相性でしょう。例えば蜷川なんて洗練されているけど、何やらいつもワザとらしい感じがして違和感がある。例えば、小人を使う手法とかが。井上さんはリアルだけど、「わたしのしらない世界」のリアリズムなのでぴんとこない。へんな話、歌舞伎の方が私にとってはもっとリアルに見えるのはどういうわけだろうか?

大まかに3つの女性グループとのやり取りが主になったドラマだが、最後の尼さんたちとのくだり、なんとなく大昔の名画「尼僧ヨアンナ」を思い出してしまった。栄養失調と集団ヒステリーって、ああいう奉仕生活していたらなりそうだもの。このドラマは別に集団ヒステリーは扱ってはいませんが、色々と考えさせる要素ふんだんはいつもどおり。

私が一番好きな井上芝居は「父と暮らせば」。ずしんときますね。宮沢りえちゃん主演の映画も見ないと。でも、すまけいと梅沢昌代主演の芝居には勝てないと思うな、映画は。