阿佐ヶ谷スパイダーズ「悪魔の唄」

初めて見る長塚圭史。初めてでこれは失敗だったかな。それにしても2時間半以上、休憩なしで見せる力、自信は凄いと思った。内容は、まるで「海辺のカフカ」みたいなところも多々あり。この直前にみたこまつ座と観客の層が違うこと、違うこと。平均年齢40歳位違うかも、と思うくらい。紀伊国屋では、私って若い、って感じたけど、本多では、私も年だなあ、と思って座っていた。(まだまだ続く)

野田秀樹みたいなことば遊び、というか、言葉の尻取りから人間のちょっとした態度に潜む本質をえぐるっていう芝居、多分長塚さんの得意なものなのでしょう。それがちょっと今回はリアルな感じがしない。29年しか生きていない長塚さんには無理して戦争物語とか、夫婦の問題とか取り上げたってこともあるのかもしれないけれども。

シェークスピアの中での活躍しか見たことのない吉田鋼太郎ギリシャ悲劇でも見たな)、なかなか味があった。小島聖は昨年のワーストワン芝居の(私の中で)「二人の女兵士の物語」以来だが、なかなか好感の持てる女優さんで期待したい。声も姿も美しく、現代的で好ましい。