リチャード・アッテンボロー

 映画監督のアッテンボローというと、アカデミー作品賞受賞作だったっけ?の「ガンジー」で有名だ。そのほかにも「遠すぎた橋」(大作を見たという記憶だけ)「マジック」(作品的には大したことなかったけど、腹話術人形が怖かった)「コーラスライン」(この作品は舞台も映画も見ていない)「チャーリー」と、幅広い活躍。「ガンジー」が余りに素晴らしい超大作だったので、ロンドンのナショナル・フィルム・センターで「チャーリー」公開前にアッテンボローの講演会があると聞き、早めに申し込んだお陰でどうにか後ろの方の席を確保、楽しみに向かった。もう14年も前のこと。
 直に見るアッテンボローは凄い迫力とオーラだった。油の乗り切った監督って、こんなに輝くのだろうか、と思う。話も力強い。これは「チャーリー」を見ないと、と心待ちにしていたら・・・あの惨憺たる映画。主役のロバート・ダウニー・Jrは頑張っていたとは思いますよ、でも、作品そのものがどうも。これは誰もが思った感想に違いない。
 だまされた。アッテンボローの口車とオーラに騙された、とそのときに思った。まあ、男優出身の監督だから、仕方ないといえば仕方ないのかもしれない。騙すのが商売でしょうから。1960年の「紳士協定」に出演?どこだったのだろうか?と思ったら、出演作は「紳士同盟」だった。「紳士協定」さらに10-20年は古い作品であろう。
 同じ時期、英国のテレビ映画で同じくチャップリンを取り上げたものがあったが、これは大変面白かった。特に印象に残ったのが、チャップリンの母親役の、かつてのカリスマ・モデル、小枝の「ツイギー」。綺麗なんですよね、何年たっても。どこかで聞いたのが、読んだのか、そのテレビ作品の監督がツイギーを使ったのは、声が美しい、という理由だったらしい。是非ともツイギーの映像作品をもっと見てみたい。私の中では、今も美しく活躍している同じ英国女性のジュリー・クリスティと重なるイメージがある。「ロード・オブ・ザ・リング3」で彼女の名前を見て、どこで出てくる、どこで出る、と思ったら、(校長先生のかつての愛人っぽい)酒屋の美しい女主人だったので嬉しかった。