コジ・ファン・トウッテ

 http://www.nntt.jac.go.jp/season/s253/s253.html

作曲 : ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト
台本 : ロレンツォ・ダ・ポンテ

指揮 : ダン・エッティンガー
演出 : コルネリア・レプシュレーガー
美術・衣裳 : ダヴィデ・ピッツィゴーニ
照明 : 磯野 睦
舞台監督 : 大澤 裕

合唱指揮 : 三澤洋史
合唱 : 新国立劇場合唱団
管弦楽 : 東京交響楽団
主催 : 新国立劇場

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キャスト
フィオルディリージ : ヴェロニク・ジャンス
ドラベッラ : ナンシー・ファビオラ・エッレラ
デスピーナ : 中嶋 彰子
フェルランド : グレゴリー・トゥレイ *
グリエルモ : ルドルフ・ローゼン
ドン・アルフォンソ : ベルント・ヴァイクル
*フェラルド役で出演予定だったジョン・健・ヌッツォは、健康上の理由で出演できなくなりました。代わってグレゴリー・トゥレイが出演いたします。

先般、新聞紙上で本日の公演は売り切れていたはずなのに、ランク1、2あたりはちらほらあいていた。まさか、まさか、ジョン・健・ヌッツォのキャンセルで、チケットをキャンセルした人が結構いたなんて、彼の実力を思えば不可思議であるが、世情の人気とは違うのでしょう。初台に向かう新京王線新宿駅ホームでは、批評家の堀内修氏を発見。彼、昨日も私と同じ空間、つまり東京文化会館にいらっしゃいました。奇遇というか、光栄です。堀内さんのオペラ演出に関してのお話を伺ったことがありますが、大変面白かった思い出があります。*1

肝心の公演にいきましょう。まあ、そこそこ、でしょうか?演出が舞台美術とあいまって素敵に綺麗でした(某批評家の言葉みたいになってしまった)。やはりヨーロッパで活躍して(ウィーン国立歌劇場から芸術監督を取ってきた甲斐があるというもの)いる、マノンのダ・ポンテ演出の再現をしただけのことがある。シンプルで色合いも美しく、オペラはやはり目も楽しみ、耳も楽しまないと、美しいものをみて楽しい気持ちで豊かになって帰途につかないと、という原点に返った気がした。

ただし、今日は耳のほうは余り楽しめなかったが。ランク6のチケットで3階の端、という位置もあったとは思うし、初日で特に第一幕は歌手の声がなかなか通らなかったということを差し引いても、と、人が入っていなかった上野の「エレクトラ」と比べても思う。

ドラベッラ役のナンシー・ファビオラ・エッレラは初見だが、彼女のカルメンを昨年見なかったのを残念に思った。一昨年の巨大な迫力のカルメンを見て、再演はいいや、と思ってしまったから。*2聞いて楽しかったのは、フィオルディリージ役のヴェロニク・ジャンスも最後の長いアリアでは聞かせてくれました。演出家も女性ですし、この度は女性上位の舞台ということで。若手指揮者のダン・エッティンガーも集中力ある演奏をしてくれたと思います。

追記:演出で嫌だったところ。大きな白い布で目隠しをするところ。最近とみに映像で目にする戦場のシーンをどうしても思い起こしてしまう。少し配慮が欲しかった。

*1:ちらと思った。堀内氏のしっかりとしたお顔にロマンスグレーの髪、日本人的な背格好を見ると、何故か観世栄夫氏を思い出してしまう

*2:昨晩の教育テレビのカルメン、演出はつまらなかったが歌手はよかったですね。少なくとも音程がしっかりしている。カルメンは見るたびに、微妙に音程のはずれる歌手、ことにホセ役は気になるのですが、やはりアラーニャは一流、と思いました