ベームの「フィガロの結婚」

 1966年のザルツブルグ音楽祭、カール・ベームの「フィガロの結婚」映像(残念ながら白黒。東京オリンピックの2年後なのに〜)を見る。

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オペラ・ブッファの最高傑作として有名な「フィガロの結婚」はモーツァルトの最初のオペラ作品であり、 1786年の初演以来その完璧な音楽性とドラマティックなストーリーで多くの人々に愛され続けている。本作には、 1966年のザルツブルク音楽祭における、 カール・ベーム指揮、 ウィーン・フィル演奏による貴重な映像を収録。ワルター・ベリー、 イングヴァー・ヴィクセル、 クレア・ワトソンなど最高のモーツァルト歌手たちによる、 オペラ・ファン必見の映像である。
1966年8月11日、 ザルツブルク祝祭劇場小ホールにて収録。
出演者から カール・ベーム(指揮)/ ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/ ウィーン国立歌劇場合唱団(演奏)/ イングヴァー・ヴィクセル/ クレア・ワトソン/ レリ・グリスト/ ワルター・ベリー/ エディット・マティス(出演)

 これがすばらしか〜
 ベームの指揮が第一だけれども、スザンナ役の黒人ソプラノ、レリ・グリストがこれ以上ないはまり役。彼女、だっこちゃんみたいでとっても可愛い(わちき、ホンモノのだっこちゃんって見たことないけど)。ケルビーノ役のエディット・マティスは、数年前、東京都北区の北とぴあ音楽祭に出演した際に初見。そのときも美声を保っていたが、30年以上前のケルビーノも、フォン・オッターやテレサ・ベレザンガ(個人的にはベレガンザの歌い方が一番好き)にも全くひけをとらない、やや優しい感じの少年像。

まだ演出の時代に入る前だというのに、それぞれの演技も素晴らしい。演出は普通のフィガロだけれども、つくづくフィガロってよく出来たオペラ、出来すぎているほど。

かつてはモーツァルトは眠くなる、単に心地よいだけ、と思っていたけれども、それが一番難しいし、貴重なんだと分かり始めて今日この頃。ベームの現役時代に間に合わなくって残念無念。

追記: 実は、ベームどころか、カラヤンにも、バーンシュタインにも、チェルビダッケの現役時代にも間に合わず、どうにかテンシュテッド、シノーポリ朝比奈隆に間に合っている私でありますが。