ナタリー・デッセイ

 昨日のところに、ダニエラ・デッシーのことをちらりと書きましたが、(名前が似ているので突如思い出した)大御所のコロラトゥーラ・ソプラノで、昨年私が耳にしたコンサートでもベスト3には入るのが、このデッセーの初来日コンサート。私は第2日目に行く。
 実はデッセイ、私がナマ聴くのは2度目。数年前に巴里に遊びに行った際、たまたま友人が1枚余計に買った、と、ラッキー、当然ながらソールドアウトだった「魔笛」で見ました、聴きました。オペラ歌手とは思えない小柄な美しく清純な姿。そして美しい声。パリのオペラ座では、ちょっと声量大丈夫?という感じでしたが、今までのオペラ界にはないタイプだったので、印象大。おまけに、確かこのとき、フランス中で劇場ストライキのときだったんじゃない?
 こちらでは衛星放送なので、ちょくちょくデッセイ出演のオペラは映像を流していますが、彼女よりも美しく動ける歌手って、ミュージカルやオペレッタでもなかなかいないですよね?昨年9月下旬の、東京オペラシティでのイサイタルも、ちょっと気を許していて、ジャパンアーツ会員だったのに一般売りで買ったら、何と1列目の1番をようやく買えた、それでもラッキー、というところ。お陰で、彼女の舞台への出と入りが、まさに目の前で見れました。
 感動したのが、彼女、最初っからはだしだったんですね。聴くところによると、リサイタルの第一日目は、途中からはだしになったそうな。そのほうが集中して歌えると思ったのでしょうけれども、プロ根性に感激。かつて、某演歌調に女の怨念みたいな弾き方をする、かつて美貌を売り物にショーケンなどと浮名を流した和製バイオリニストは、ピンヒールはいてて、それを気にしてとちったりしたとか。エライ違い。*1
 もう、デッセイ聴いたら、その後にいった、グロベローヴァがいっぺんにお芋ちゃんになってしまいました。単なる超絶技術を売る歌手に聞こえてしまったくらいで。勿論、素晴らしかったには違いないのだけれども、やはり峠を越えた歌手、でしたね。まあ、私が聴いたのが、池袋の芸術劇場だったこともあるし、その後友人と待ち合わせして、上野の「椿姫」に飛んでいった、という理由もあるにはありましたが*2
 また近いうちに来日してほしいですね〜、デッセイ。是非ともフランスのオペラを聴きたいもの。

*1:彼女、私が間違っていってしまったコンサートでは、アンコールのG線で凄いトチリをした、信じられないレベルのバイオリニストです

*2:今も忘れれらない、中越地震の日でした。上野文化会館の4階L列、怖かった。