「マリア・カラス」

 今月のオペラ勉強会からはテーマが「マリア・カラス」。正直、あの声はかんにさわるけど、声の表情、表現力、強弱、まさに不世出の歌手。彼女のノルマのアリア「清き女神」は、聞くたびに涙が出てくる。この力、歌そのものの力x歌手の力。一昨年のチェリンドス*1も素晴らしかったけれども、あの時ほどアリアを聞いて自然と涙があふれた経験はいまだかつてない。
 映画「永遠のマリア・カラス」の一部も見る。一昨年に楽しみにしてみたときには、ファニー・アルダンがどうしてもカラスには見えないし、なんか違うってガッカリしたが、あれから1年半、私の中でも何かが変わってきているのかもしれない。最後の場面、思わずじ〜んと来る。カラスに見えないアルダンだけれども、演技力は一流だから。それにしても、アルダンの優しげな声と、私が映像で聴いたときのカラスの凄いダミ声とがどうしても合わないことも、私が一昨年にがっかりした理由の一つであるが。

追記(1)前々から思っているが、カラスは腕が長く、手が大きい。歌舞伎の女形から小さく見せる方法を習った方がいいのでは?と思うほどに。肩幅はないのだけれども、上背もあるので舞台ばえしたことだろう。それにあの爬虫類顔。綺麗なのは確かだけれども、「ボエーム」のミミはとっても出来るタイプではない。「永遠のマルア・カラス」に出てきたような、カルメンは是非見たかったところだ。ただし、ファニー・アルダンではなく、カラス自身でのね。

追記(2)カラスは1923年生まれってことは大正12年。なんと、雀右衛門や小山三、森光子よりも3つも年下である。逆にこの3人がいかに偉大かがわかるというもの。

追記(3)前にも書いたと思うけど、カラスというと忘れられない、三島由紀夫歌右衛門に対して「あなたは日本のマリア・カラスだ」といったら、歌「私はカラス(烏)なんていやよ」といったとか。。。本当っぽい。

追記(4)以前にどこかで読んだ。オペラ好きな玉三郎いわく、「今、マリア・カラスの十枚組のLDを勘九郎さんに貸しています」。さて、勘九郎は全部見たのかなあ。。。私は見ていないほうにかけたいなあ、なんとなく。

*1:チェドリンスかもしれない、ちなみに私は、グロベローヴァも、ディオミッショウ...彼女の名前の不完全ですけど...も全部みて、断然チェリンドスが素晴らしかった。またノルマ、聴きたいなあ。