国立劇場6月歌舞伎鑑賞教室「毛抜」鑑賞

 鑑賞予定です。なんと最前列のかぶりつき。一番のお目当ては、巳之助君です。アップは日曜日夜かなあ。場合によってはもっと遅れるかも。 
はい、12日夕方、戻りました。見てきました、花道よりのかぶりつきにて。亀三郎の説明がわかりやすく、私は席の関係で余りに目の前だったので、その声、かつ舌の良さにも酔いしれながら、なかなかいい説明でした。
 既に何回聞いている、歌舞伎鑑賞教室の説明。私的には、三年前に、たまたま花道七三の真横に座って、獅童の手ずから「ピンポン」のチラシを貰ったときに続いてわかりやすく楽しい説明だった。三年前は、6月が獅童の楽しい説明で、7月が上村吉弥で突然真面目になって面白くなくなったのを思い出した。
 今日の説明で初めて知ったこと一つ。刀は、通常は鋼製なので、床にもささるもので(ここで本当に亀三郎が床に刺したのでびっくり)、立ち回りでは樫の木製の軽いものを使うとか。それを聴き、これも三年前ですか、研辰初演の際、友人が見に行った日には、染五郎勘太郎の稽古のシーンで、染五郎の脛に刀が当たって痛そうだった、ということだったが、木の刀ならそれ程のことはなかったことでしょう。*1亀三郎って、いかにも常識人って感じでいいですね。何か、相談事してもまともな返事が返ってきそうなお兄様って感じですね*2
 肝心のお芝居も、今回は口跡のいい人が揃ってわかりやすかった。いつも国立は演目が早くから決まるのに対して、ギリギリまで決まらない歌舞伎座の演目と衝突して可哀想なことが多いが、今月も5月の成田屋の大旦那、団十郎と重なってお気の毒だったけれども、無難に終えました。巳之助君、まだ16歳なのかな、綺麗でしたね。今年2月の「どんつく」の子守も可愛らしかったものの、踊りとなるとまだ身体を持て余しているような勘があったものの、品といい*3、大昔の白黒時代の玉三郎の写真を思い出してしまうほど*4。先が楽しみである。

*1:ちなみに、私は気付かなかったが、染五郎の脛と膝のあたり、本当に踊って立ち回って、って感じの物凄いコブがあるらしいですね。今年の研辰でよく見えたらしい。

*2:弟の亀寿君はというと、私の中で一番印象に残っているのは、歌右衛門最後の舞台、『関寺小町』の舞台を、玉太郎さんと一緒に仲よさそうに見ていた青年の姿。『関寺小町』で語った呂勢太夫って、多分呂太夫の代理だったとは思うものの、一生の思い出、ですよね。凄い舞台でした、色々な意味で。

*3:お爺様役が品の上ではちょっと、なのに。その上お父様役は居眠りしそうではらはらしました。私も実は居眠りしましたが、舞台の上でも居眠りしている方がいると思うと安心して居眠りできました。

*4:三島作品の、当時巳之助君と同じ位の16歳でしょうか?