国立劇場10月公演「絵本太閤記」鑑賞

団十郎が降りて、おかしけなキャストになったりしていたので、ほとんど期待しないでいった、タナボタでいただいた13列目中央ブロック席。結構面白かった。へんな話、私にとっては、演舞場のディズニーランドが東銀座に越してきたようなタイプの歌舞伎よりも*1色々な意味で面白かった。

面白かったのは後にして、まず、橋之助、久々にいい男っぷりに惚れましたね〜、これぞ400年の日本の伝統芸能歌舞伎の立役という舞台姿。いかにも21世紀という感覚の海老蔵のオーラとはまた異なる美形ぶり。もう、この人の光秀見ただけでも、今月の三宅坂、行くべきですよ。というか、橋之助が舞台にいなくなるとなんと眠かったことか!

なんか、ミスキャストで気の毒な人が一杯いて。第一に、松嶋屋の孝太郎。子獅子も舞える人だからとはいえ、荒事風の森欄丸とは。私は見ていて、どうしてあんな小さな和蝋燭が踊るみていに何回も頭を右に傾けてリキ入れるのかと思ったら、あれって荒事の決まりごとだとつれにいわれ、そんなこと、言われないと気付かないようなニンですから。5月に見た、勘太郎の梅王丸は、ああいうところ、本当に舞台の絵になっていましたが、今日はまさしくコミックでしかなかった。お気の毒の一言。私だけでなく、隣の友人も蘭丸が出てくるたびにくすくすだったけど、申し訳ない、でも我慢できなかった。

魁春も十次郎とは。歌右衛門丈ご健在の頃は、お兄様が十次郎で松江時代の彼は初菊だったのでしょうけど、久吉とも合わせて、なんか、新宿2丁目出身歌舞伎役者劇団みたいな感じがして、どうも。皆様、真面目にやっていらしたのですが。

その中で一際光った光秀。是非、見て下さい。

追記:成駒屋関連、国立関連でどうでもいい情報ここのアップします。福助特集が出ている最新号「和楽」、なぜか新国立劇場のおみやげショップにて発見。見本誌がずらりとおいてあるだけで、実際に買うことはできません。

*1:つくづく猿之助は偉いと思った。この手の歌舞伎は、やはりちゃんとポリシー持っている猿之助のものだと思うので