ソフィア国立歌劇場「リゴレット」鑑賞(26日)

なんといっても、アンドレア・ロストのこれぞジルダ!が聴けて大いに感激。リゴレットとマントーバ公爵は逆じゃない?って感じで、長身で若々しいリゴレットに、上背がなくってぶっとりしておじはんのマントーバ。まあ、マントーバはかのパヴァロッティの当たり役でもあり、本来は25歳くらいなんだろうけど、地位と権力をカサに女遊びをする放埓な奴だからいいとして、力強いリゴレットを見て、新しい解釈が出来そうな気がした。だって、まるでリゴレットに対して同情する気にならず(セムシで見にくい年寄りじゃないから)、ただ、っ可愛い娘の自由をぶんどった嫌な父親に見てたりして。もしや、娘に性的暴力を振るっているのでは、というかんじすらするリゴレットだった。

舞台美術が面白い。マリオネットみたいに紗幕の大きな額縁を使っての影の多様、細長いテーブルなどをみていて、ふと思った。同じ舞台美術で「マクベス」ができるじゃない、と。入場料を押さえて、同じ舞台美術で別のオペラ、なんてアイデア、いけてるかもしれないと。

http://www.japanarts.co.jp/html/2005/sofia/
リゴレット     アレクサンドル・クルネフ
マントヴァ侯爵   カルーディ・カルードフ
ジルダ       アンドレア・ロスト

今回のこの公演は、臣官が大量に出てきて、『現代』の怖さをよく著している。これは野田版「研辰」とおも同じ。世間の群集によって誤って導かれた人の人生の悲劇を強く感じた。