新宿というところ

実に面白い.決して好きな場所ではないが,例えば今,こうして古びた地下街のエッセンベルクでモーニングを食しているが,戦後の時代の若者の声,つまり今の70代80代の人の青春から始まり,タンゴ・冬のタンゴで訴えられた60年代安保の騒々しさが聞こえてくるような気がする.それなのに,物質的には豊かになった今の時代に生きる私っなら生きてもいないみたいに生気も何もないとつくづく思う.自分に喝!を入れたいけれども,それだけは自分の心の底から何かを感じて実感仕切る必要があるのだけれども.今晩鑑賞する能からでも何でもいいから実感したい.必要!
それにしても,このエッセンベルクは怪しい雰囲気.ジャズが流れ,私の隣には仕事帰りのオバチャンが何故かお弁当食べて,反対側では文庫本読む一人客がズラリ.珈琲は上手かった.大阪にはこういう店が多い.店出たら浮浪者が階段でねっころがってサンドイッチの包装紙を懸命に舐めている.まさしく生きる為に.