ローマ・サンタ・チェチーリア管弦楽団@東京オペラシティ・武満メモリアル

明日の上野と連チャンのオケ鑑賞.本当ならアルゲリッチ出演予定で,それが最初に予定されていなければシリーズ券買わなかった人,私を含め多かっただろう.梶本は良心的なので現金で某か返金してくれましたが.

本日はベートーベン5番とマーラー1番という超オーソドックスなプログラム.初めて見るパッパーノは思ったよりもオジサン臭かったが,演奏はいかにも21世紀前半を背負ってゆくべき指揮者らしいキレのあるもの.前半を聴いた範囲では,裏返せば深みと音色の多彩な美しさには欠けているように感じる.が,後半の巨人の新鮮なこと.初めて軽やかなマーラーを聴いた.そして大サービスのアンコールはオペラ系4曲.マスネのカバレリア・ルスティカーナ間奏曲,ヴェルディ運命の力序曲,プッチーニ,マノン・レスコー間奏曲,ロッシーニ,ウィリアム・テル序曲と自信の歌劇になってからの音色の美しさとオケのまとまりは比類ない程.兎に角イキがいい.チョン・ミョンフン時代よりもオケとの固い信頼関係が見えるよう.やはりイタリア人通しか?明日の公演が楽しみに.

さすがに先頃ウィーンフィルの時期芸術監督に決まったメストやティーレマン,ミンコフスキーらと並ぶ中堅40代の指揮者としてカリスマ性と迫力,意気込み,オケの統率力は十分.歌舞伎に例えれば,勘三郎,三津五郎,福助時蔵,橋之助に相当する実力と世代.歌舞伎役者がまず第一が顔だとしたら,指揮者はカリスマ性だ,とつくづく思う.