歌舞伎座昼夜通し観賞

秀山祭.当然ながら吉右衛門が主役だが,改めて,熊谷陣屋は私的に好みではないし,最後の二条城の清正は,夜に入り3階席で足は痛いし,はっきり言ってつまらないしで,印象に残ったのは玉三郎出演の汐汲と阿古屋.阿古屋は吉右衛門段四郎の共演が素晴らしい.玉三郎の三曲もやけに上手くなって飽きなかった.特に胡弓.ヨーヨーマのチェロでも聴いているような錯覚が起こるような,やや西洋の入った音色がいかにも玉三郎.同様に汐汲の舞踊も,福助と比較すると,立ち姿は美しいが突っ立って西洋舞踊が入るのが玉三郎.福助勘三郎三津五郎と一緒の舞台では大柄さが際立つが,玉三郎の横では実に可愛らしい.この美形2人が男性とは.江戸末期から明治初期超美形女形2人,3代目田之助と8代目岩井半四郎が並び立ったらどんなだったであろうか?とふと思ってしまった.

身替座禅はまたかぁ,でして.せっかく團十郎がこれ1本なのにと残念.しかし全体的に先月とはうって変わった大人の歌舞伎座,それなのに通しでは今月の方が安いとは.

幕間に行ったクレムリは超混雑,小諸そばのカルビ丼が旨かった.