ドレスデン国立歌劇場サロメ@東京文化会館

3演目最後.それにしても今回のドレスデンは新国の今年度と重なっているのはたまたま?で,今日の舞台はまさしく目の覚める,耳の醒める公演.朝から寒気がして気分悪かったのが一変でぶっ飛んだ.特に今日のオケの迫力たるや久方ぶりのほんまもんドドレスデンいう感じ.最初はオケに歌手の声が負けているように感じたが,サロメ役のニールント始め,傾斜のある不可思議な舞台でよく演じ歌ってくれた.

パンフレットの伊達なつめ氏(私は彼女が以前テレビで歌舞伎の一番の魅力はソフィスティケイトした所,と確かに演出は洗練されているかもしれないが,歌舞伎の根本はえげつない下品なパワーだと思う私の意見と真反対だった事から避けているが)がサロメの踊りについて思わせぶりに書いていたが,やはりサロメの踊りはキチンと見たかった.私が最初に見たサロメの舞台はコベントガーデンのマリア・ユーイング主演で,故に今もメゾの迫力あるヨカナーン,の叫びが印象的だが,今日のニールントを見て,初めてソプラノのサロメもいいと感じた.

もう一つ印象的なサロメは,数年前に真夏の日比谷公園で見たク・ナウカ.演者と台詞役者と分けた文楽的舞台はオリジナルで面白かったが,蜘蛛の糸の上に乗るヨカナーンと立ったまま踊らない美加里の迫力のないサロメだけは受け入れ難かった.
今日の舞台は是非映像で見てみたいが,さて?