パウル・バドゥラ=スコダ @ 上野

都民劇場定例。


パウル・バドゥラ=スコダ ピアノ・リサイタル
ハイドン    「皇帝賛歌」による変奏曲、ピアノ・ソナタ第20番
ベートーヴェン  ピアノ・ソナタ第32番
フランク・マルタン  フラメンコのリズムによる幻想曲
シューベルト   4つの即興曲 D.899 Op.90


このピアニストの演奏は始めて聞くのでなんともいいにくいが、
82歳という年齢での個性的(!)な弾き方なのか、
好きだから引き続けるだけでもう指も腕も動かないのか?

ミスタッチ満載と思える音使いに、なんともいえないリズム。
それはそれで、今の彼の世界なのでしょうけれども。
音もにごっているし。それを彼の愛嬌で大いにカバーしていた。


数年前にきいた、最近なくなったラローチャの引退公演を紀尾井ホール
聞いたときを思い出してしまった。あれも、聞かない方がよかったから。

さて、本日は、集中力を要するという種類のリサイタルではなかったこともあろうが、
観客のマナーの悪さが最悪。今日の後ろは最初っからいびきがひどく、
さすがにつつこうと思ったら横の人がつついてくれて、
やっと止まったと思ったのが前半三曲目。


後半も同様、振り向いて膝をたたいたのに、まるで気づかず。アンコールでは
起きていたが、今度は会場前で配るちらしの束を手でこすって音を出していた。最悪。

その他、杖を倒したり、手元の双眼鏡を落としたりなどなど、
随分華やかに音が会場全体に舞い散っていた。
都民劇場の音楽の会は平均年齢が高いから、仕方ないこともあろうが、これでは困る。