ヴォツェック初日@新国立劇場

私はなかなか面白く見たが、特に演出家に対するブーなのか賛美なのかわからない客席の反応と、演奏が終わった瞬間にカーテンコールも見ずに立った人がいつになく多かった事、3幕前の転換時に明らかに席を立って床を蹴り歩く人の音が下から響いた 僅か1時間35分の上演を見ると、かなり賛否両論に別れたようだ。


タイトルロールが良く響く低音で聞き応えあり、子役が演技で頑張った。新国でしか出来ない前後の動きのある大掛かりな舞台機構に下はオテロに続き水浸しでカーテンコールは全員長靴。当然ながら独特の音響効果が最上階から聞いて面白かった。ただ、前の方に出る演技は私の席から全く見えずに残念。全体的に不気味な現代社会を良く投影させた不可思議な舞台だった。


まぁ、私は数年前に国際フォーラムで見た機械音響くヴォツェックが半ばトラウマになっていたから、それはかなり払拭出来た気がする。


今月はなんといっても中劇場のヘンリー6世が見応え十分だが、それは別記に。3部から続いて、岡本健一で「リチャード3世」もつけて、全四部作にしてもいいくらいだった。