12人の怒れる男たち

俳優座バージョン。昨年暮のシアターコクーンに続き同作品を観劇。兎に角戯曲がしっかりして演技力のない役者に振られようのない作品。基本的に蜷川演出と西川演出で大きな違いをだしようもないが、やはり小さな小屋でより自然に見られる俳優座の方が、観客にも臨場感は抜群に伝わる。

蜷川版は中央舞台にして、12人の座る位置が向こう側とこちら側と違えて立体感を出そうとしていたように見えたし、部屋の間取り図も透明板を使うなどの工夫があったが、やはり最初は不自然に見えた。俳優座版はその点もリアル。途中休憩なしも緊張感が続いて良い。但し最後のいいところで、演出だと思うがまるで携帯電話の呼び出し音を使ったのは、本当に携帯が鳴ったのかと気がいってしまい非常に勿体無く感じた。


とにもかくにも今この時期に取り上げられるこの作品の意義を考えたい。