日本和装スペシャル 邦楽 西洋と比ぶれば 「花」(17)

 今日は茶道の仲間と新年会の予定が、昨年紀尾井文楽「一の糸」プレ・セミナーの際、小劇場ロビーで思わず買ってしまったこのセミナーというか、コンサートというかなんというか、のために出られなそう。6時半から9時まで満タンの中味らしい。
 出演歌手が佐藤ひさら、永田直美と豪華で、私の三味線の師匠がお薦めの本條秀太郎も出演と今知り、これはお徳!と期待。竹内氏は、歌舞伎のイヤホンガイド説明者の中で、数少ない私が好きだった人。間違いがないから、芝居の邪魔にならないからがその理由
 http://www.kioi-hall.or.jp/calendar/concert_s.html#0120

出演者・曲目 : 対談 「花談義」ゲスト:西浦喜八郎(華道家
音先案内人:竹内道敬(放送大学客員教授

「花」をテーマにした音楽によるプロローグ

プッチーニ : 歌劇「蝶々夫人」より花の二重唱
シューベルト : 歌曲「野ばら」 ほか
  (歌)佐藤ひさら、永田直美、(ピアノ)甲山紀子
沖縄民謡「夏の花」「あかゆら」 ほか
  (唄・三線新良幸人、(舞踊)志田真木
端唄「夜桜」「梅は咲いたか」 ほか
  (唄・三味線)本條秀太郎
長唄「元禄花見踊」
  (唄)今藤文子、(三味線)東音伊勢弥生
  (お囃子)堅田喜三久 ほか
本シリーズの今回のテーマは、初春に相応しく「花」。四季おりおりの花を歌いこんだ名歌に、新進華道家、西浦喜八郎の花の舞台演出やお話が、新春の舞台を華やかに盛りたてます。

 まずオペラの永田直美、蝶々夫人のスズキを一手に引き受けているイメージが強いがこんなに華と愛嬌があって綺麗な人とは。佐藤ひさらは、もう十年近くなるか、藤原の蝶々夫人公演で、林康子が突如一幕で喉の調子が悪く降りたときにピンチヒッターをしてから有名になったが恐らくあのときのスズキも永田だったろう。私はオペラはいつも表情が見えない席で見るので紀尾井小ホールで見てみると、何と表情豊かで演技すること。彼女は純日本的顔立ち、能面風なのだが以外に以外。やはり声の伸びが素晴らしい。この二人だけを見ただけでも本日私が払った1500円以上の価値がある。
 他の出演者も超一流揃いだったし、竹内氏は見かけによらず、サービス精神旺盛なのだと思う。さすがに教壇に立った音大で長大な数の本を寄付するような度量のある人だと思う。実は私、昨年朝日カルチャーで竹内氏の講座を取っていて、竹内氏が回して見せてくれた勧進帳かなにかの江戸時代の筋書きをびり、っとちょっぴりと。。。してしまったのが忘れられないのです。
 本條秀太郎はまるで山中から出てきたような大柄で色黒のおっさんだったが、あの大きな手で引く三味線の音は正反対で澄んで美しい。声のほうはちょいと、だったけれども。充実の一日であった。おまけに、忘年会の最後15分にも間に合って、蕎麦茶で乾杯をした。