新国立劇場「花咲く港」

 菊田一夫の作品は、「がめつい奴」「放浪記」に続いてみるのは三作目。かつらぎさんご推奨のこの芝居、ちょっと睡眠不足の中、一番前の席があいていたので(演出上、急遽セットの中に入り込む形の席が後から売り出されたらしく、前から5列くらいに空き席があった)ゲット。何度も居眠りしそうになりながら、誰よりも役者に近い席に座っていたので、どうにか3時間クリアー。
 新国立劇場は、今までのつまらない芝居の多さに、相当ファンをなくしているのでしょう。これだけ水準が高い作品で、おまけに300人位しか入らない小劇場であいているなんて。ほのぼのする、性善説に基づくこの作品、というか、菊田一夫作品は、時代を表しているのでしょう。私にはちょっと毒が足りない気がするが、それは役者の力不足もあるに違いない。寺田路恵が出色。
 鑑賞しながら、この演劇は外国で上演して受けるかどうか、なんて考えてしまいました。懐かしい日本の風景は珍しがられるでしょうけれども、お話はどうってことのない話をいかに密度の濃い脚本で書き上げるか、という作品だから。取り立てて珍しい演出があるでもないし。やはり、私、井上ひさしもそうですが、日本日本したストレートプレイは好みじゃないのでしょうね。>ごめんなさい、菊田贔屓の方。

以上、今日は元気がいつもの半分なのでお許しを。