新国立劇場『セビリアの理髪師』楽日鑑賞(22日)

私は大変面白く見た、新国、セビリアの楽。

http://www.nntt.jac.go.jp/season/s276/s276.html
作曲 : ジョアキーノ・ロッシーニ
原作 : ピエール=オーギュスタン・カロン・ド・ボーマルシェ
台本 : チェーザレ・ステルビーニ
指揮 : ニール・カバレッティ
演出 : ヨーゼフ・E. ケップリンガー
美術・衣裳 : ハイドルン・シュメルツァー
照明 : 八木 麻紀
舞台監督 : 斉藤 美穂
合唱指揮 : 三澤 洋史
合唱 : 新国立劇場合唱団
管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団
キャスト
アルマヴィーヴァ伯爵 : フェルディナンド・フォン・ボートマー
ジーナ : リナート・シャハム
バルトロ : 柴山 昌宣
フィガロ : ダニエル・ベルチャー
ドン・バジリオ : フェオドール・クズネツォフ
ベルタ : 与田 朝子
フィオレッロ : 星野 淳
隊長 : 木幡 雅志
アンブロージオ : 古川 和彦

賛否両論の舞台演出も面白かった。フランコ政権のセビリアに置き変えたとのことだが、今、ヨーロッパの歌劇場、特にゲルマン諸国の歌劇場で見たらさもありなん、というイタオペ・バージョン。細かい演技を要する、ある意味難度の高い演技は、歌手も大変だったろう。

歌手も揃っていた。特にいいと思ったのは、バジリオ役のクズネツォフ、フィガロ役のベルチャーに、バルトロの柴山とベルタの与田の日本人二人。

オケはやや印象を受けたが、よくまとまっていた。やはり楽だからだろうか?たまたま、文楽でちょくちょくお目にかかる知人と休憩時間に遭遇。彼女も、演劇的な、オペラ出身ではない人の演出っぽくって面白いといっていた。無料パンフによると、ケップリンガーはミュージカルの演出から始めたとか。さもありなん。なんとなく、野田秀樹の『マクベス』を思い出してしまった。新国のセリの舞台機構を存分に使っていた。

3階正面下手側にて鑑賞。このあたり、上手でもいいけど、字幕も両側見えるし、音もいいし、舞台もよく見えるし、最もいい席かもしれない。

そうそう、今頃気付いたのですけどォ(遅すぎ)、ロジーナって、ソプラノとメゾ版とあるのでしょうか?私が見た中では、武蔵野文化会館でやった、日本を代表する、可憐で美声のコロラトゥーラ・ソプラノ、高橋薫子のロジーナが非常に印象的なんですが。あとは、勿論、マリア・カラス。そういえば、カサロヴァも三年前に見たけど、彼女はちょいと見た目がロジーナっぽくないよなァ。『サロメ』もソプラノが歌うときもあるし、メゾのときもあるし(大体はメゾだけど)、何か、わかんない。カルメンのソプラノ版はいまだ未見です。

この日の舞台をみて、何やら『オテロ』『ポーギーとベス』『マクベス』なぞなぞまざっているな、と感じる。