都民劇場マゼール「トスカニーニ・フィル」鑑賞(22日)

名匠ロリン・マゼール指揮のオール・ベートーベンを楽しむ、何と贅沢な一日か?

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2005年下期第1回<第531回>
10月22日(土) 19:00-開演
トスカニーニフィルハーモニー管弦楽団
指 揮:ロリン・マぜール
ピアノ :上原彩子
ベートーヴェン 歌劇「フィデリオ」序曲 作品72b ※
ピアノ協奏曲 第3番ハ短調 作品37
交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
※演奏者の希望により、当初発表の曲目から
  変更になりました。
〜巨匠と精鋭たちが新たな伝説を生み出す〜      柴田克彦
  今回は見どころが満載されたコンサートです。
 まずはトスカニー二・フィル。2002年に設立された新しいオーケストラですが、ただの新設オケではありません。フルトヴェングラーと並ぶ往年の巨匠トスカニー二の名に値するオーケストラを目指して、巨匠の生地イタリアのパルマに誕生。メンバーは団員ではなくソリストとして契約し、定期的にオーデイションを受けることによってクオリティを高めていくという、稀にみる“精鋭集団"なのです。衝撃のデビュー・コンサート以来、年間80回の公演を行い、多くの一流指揮者やソリストと共演。“オーケストラの国"アメリカ・ツアーでも大絶賛を博していますから、一体どんな音を聴かせてくれるのか?本当にワクワクする初来日公演です。
 指揮をとるのは、2004年から芸術監督を務めるマゼール。いうまでもなく現役最高クラスの巨匠です。12歳のときトスカニー二に才能を認められて彼のオケNBC響を指揮したという因縁もさることながら、各オーケストラの性能をフル回転させることにかけては天下一品。この精鋭集団にはあらゆる意味でふさわしいマエストロといえるでしょう。
 ピアノの上原彩子の参加も見逃せません。2002年チャイコスキー・コンクールで女性初、日本人初のピアノ部門第1位を獲得。その後も世界各地で活躍し、日本人ピアニストでは初めてEMIとインターナショナル契約を結ぶなど、快進撃を続けています。力強く華麗な彼女のピアノも実に楽しみ。
そしてべ一トーヴェン・プロも魅カ十分です。1曲目は、ベートーヴェン唯一の歌劇「フォデリオ」の序曲。「レオノーレ」序曲第1〜第3番の後、決定打として新たに書き直された颯爽たる名曲だけにコンサートの幕開けを華やかに飾ってくれることでしょう。ピアノ協奏曲第3番は上原の持ち味に合った曲とはいえ、いま彼女がべ一トーヴェンをどう演奏するのかこれまた興味津々です。そして「英雄」はトスカニー二の十八番だった1曲。今回のコンビなら豪放にして緻密な名演となるに違いありません。

迫力満点、躍動感満点。ロリン・マゼールは、十年位前に、多分、バイエルン放送響で聞いているが、今日の方が感激した。とても75歳とは思えない後姿。

上原は、1月にリサイタルを聞いているが*1、日本人としては珍しく技術ではなく情熱が勝つ演奏。キーのミスタッチも目立ったが、楽しめた。後半のベト3番では、映画の「スパイゾルゲ」を思い出してしまった。

*1:翌日、同じサントリーホールにてアルゲリッチを聞いてしまったため、私の中では可哀想な存在