二期会エフゲニー・オネーギン

非常に聞き応え見応えのある公演なのに今一入りが悪いのが残念。コンヴィチュニーの演出にはブーも多かったが、見る側にとても現代的で思わず己とを比較したくなるような力があったように感じた。一幕二幕ともに男性の奇声とともに舞台中央で倒れる場面が始まる合図となっていたが、いかにも今日明日、私達の目の前で見知らぬ誰かが奇声を出して倒れるかもしれないし、と書いていたら車中で奇声を上げた女性がいてビックリ。対決の場面も群衆の中で何が何だかわからないうちにレンスキーが倒れたが、実際の拳銃ではなく例えば匿名掲示板の心無い文章で命を落とす人がいるかもしろないし、暗示的であった。

今回のプロダクションはサイドのレフトは二階以外おお外れ。私はライトで助かった。グレーミン役の佐藤さんに拍手が多かったが、私的に嫌いな声質で辛かった。それにしても舞踏会の場面、毎回私はウトウトしてしまう。これからもっと二期会を見に行こうという気にさせる公演だったが、椿姫は帳苦手な演出家で以前見たドン・ジョバンニの最後で大変後味悪い思いをしたので遠慮しとこう。