何とも贅沢に勅使川原三郎

いやぁ、凄い舞台を見せてもらいました。ヴァシリエワのチェロ無伴奏1番6番と勅使川原三郎のコラボレーション。勅使川原は昨年の埼玉までは見に行かなかったが、フランクフルトバレエ団からイケメンダンサーが客演したり鳥や山羊との共演、英国の全盲ダンサーとの競演からこの3月のシアターコクーンでのダフルサイレンスまで結構見てきたが今夜は格別。大体勅使川原三郎だけのソロがこんなに長く見る事自体機会は少ないし、普通に考えて最低でも1万円は下らない舞踊公演になり得るはず。それに勅使川原三郎とバッハとは余りお見受けしない。

最初の1番1楽章だけはヴァシリエワの独奏で後は私は勅使川原さんに目が釘付け。チェロの演奏も伸びのある軽やかな21世紀らしい演奏だったが、勅使川原さんはいつも通りの美しい動線にとても人が動いているとは思えない手の動き。シンプルながら照明効果を存分に使った演者と観客とが一体なった、非常に緊張感漂う空間を楽しんだ。

私は今年のラフォルジュルネはこの舞台だけで満腹。


その前にCホールで私のすぐ側で大怪我した男性にビックリ。3階階段をまてもに滑り落ちて手摺に顔をもろにぶつけてしまった。一昨日の朝から通い通しではいくら若くても疲労は溜まるだろう。

ぶつかった箇所は木がやや取れて色まで多少抜けていた。目の上を深く切ったようで傷自体はそんなでもなかったようなのは幸い。周りの人がみな協力的なのには感心した。

それにしても確かに劇場の急階段は危ない。私はいつも日生劇場の階段やオーチャードホールに続くエスカレーターの降り口に人が溜まりすぎて危ないと思う。またかつて演舞場3階袖からバッグを下に落とした女性が下を覗きこんで落ちるかも?位の勢いに周りがざわついた事もあった。

何事も健康あっての事。つくづく感じ入った。