美しきものの伝説@新国立劇場演劇研修所

新国立劇場の研修生の3期生、試演会。
私はこの作品を知らなかったけれども、つい最近、すごいメンバーで演じたばかりなんですね。

http://www.nntt.jac.go.jp/season/s66/s66.html


こちらを見ていなかったのが幸運か不運かはわからないけれども、
これからプロになる若者たちの真剣な舞台には引き込まれた。

ベルエポックである大正ロマンあふれる、今とは少々異なる、
人生や世界への夢とロマンに熱く語る若者が沢山生きていた時代のこと。

島村抱月から松井須磨子小山内薫沢田正二郎と現代演劇の基礎を
作り上げた実在の人物も重要な登場人物として出てくるのが楽しい。


だが、予定で15分の休憩を挟んで3時間、結果15分押して3時間15分は
少々長かった。前半の1時間半はすぐに過ぎたが、後半は、
長台詞の多い、台詞劇に限りなく近い内容のため、研修生の
チャレンジだけでは、観客の心をつかみきれない部分はあったが、それもチャレンジ。


客演のプロで活躍するお二人も若々しいので、すっかり研修生と溶け込み、
さすがの台詞術とちょっとした腹芸とで、うまく引っ張っていっていたと思う。

この演劇研修所のことは、存在くらいしか知らないが、随分と恵まれた3年間の
研修生活が確保されているらしいことは芝居ファンにとっては嬉しい限りだ。

新国立劇場の公演は、こういった研修生の公演も含めて、見逃せないものが多いと、
改めて報せてくれた。今度は、全く異なる軽いものでも見たいところだが、
そのほうが多分、もっと難しいのだと思う。


今日の出演者の中では、伊藤野枝役の女優さんの笑顔がとても印象的だった。


本日の公演についてはこちら
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000260_play.html