国盗人@世田谷パブリックシアター

いかにもコンパクトで美しい日本的でありかつ奥行きのある舞台。白石加代子野村萬齋の熱演、特に多彩な声色が印象的だった。萬齋、歌舞伎の女形顔負けのえびぞりで死んで行きましたねえ。

特に、新国立劇場のヘンリー6世を見たばかりで、その続きから始まって印象的だったのはいいが、逆に、先日みた翻案していないシェイクスピアの力強さに比べると、日本的にした分、訴えてくるものが弱く、やはりシェイクスピアそのもので、リチャード3世が見たかった、という思いが強く残った。

多分、ロンドンあたりで上演したら大うけなんでしょうねえ。この流れの最初の作品、「ウィンザーの陽気な女房たち」はロンドンのジャパン・フェスティバルで見てから、日本でも見たけれども、あちらの方が面白かったというのが正直な感想。

よって、「マクベス」は白石加代子が出ないし、今回は見送る予定。

世田谷パブリクシアターは、佐藤信の時代は本当によく見に来たが、萬齋が芸術監督になってからの肝いり作品、「ハムレット」でずっこけてから、足が遠のいていて、半年に1回行くかどうかになってしまった。

http://setagaya-pt.jp/theater_info/2009/12/post_166.html


07年に世田谷パブリックシアター開場10周年記念プログラムとして上演され、好評を博した『国盗人』。
12月に待望の再演が決まりました。狂言の発想を用いた演出、身体性豊かな俳優たちの演技は、さらに進化を遂げ洗練を極めた舞台となることでしょう。どうぞご期待ください!
[作] 河合祥一郎 [演出] 野村萬斎
[作調] 田中傳左衛門 [美術] 松井るみ [衣裳] コシノジュンコ


[出演] 野村萬斎白石加代子
      石田幸雄/大森博史/小田豊山野史人
       月崎晴夫/じゅんじゅん/すがぽん/泉陽二/若松力/中村美貴
     時田光洋/坂根泰士/平原テツ/入月謙一/
      大竹えり/黒川深雪/郄島玲

[囃子方] 梅屋小三郎(囃子)/福原友裕(笛)/古寺正憲(囃子)